打楽器

破裂注意!?本皮ドラム・ヘッドを使用するメリット・デメリット

こんにちは!HENYOHARO PERCUSSIONの純太郎です。

今回はティンパニやスネア、ベース・ドラムなどで使用される本皮のヘッドを扱うときの注意点を書いていくのですが、まずはこちらの映像をご覧ください

これは先日Youtube用に演奏を収録していたときに偶然撮れてしまったヘッドが破れる瞬間なのですが、本皮ヘッドは使い方を誤るとこんな惨事が起きます(笑)

この記事を読めば、本皮ヘッドを使うメリットとデメリット、使う際の注意点などを理解してもらえると思います!

本皮とプラスチックヘッドとの違い

そもそも本皮とは?

さて、ここまで本皮本皮と連呼してきましたが、中高生プレイヤーやアマチュアさんには馴染みが薄いかもしれませんね。簡単に解説をしていきます。

現在、一般的にはプラスチック・ヘッドという、人工的に作られた合成皮を使用しています。

でも昔は動物の皮を使っていたんですね。
そして今でも本皮が使われる場合があり、仔牛の皮(カーフスキン)が使われることが多いです。
プラスティック・ヘッドとは製法そのものが違うので、特性も全く違ったものになります。

山羊皮も使われる

ウィーン式ティンパニを代表として、山羊皮が使われる場合もあります。
仔牛皮に比べてやや硬めで、いわゆる「詰まった音」が特徴です。
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団など、オーストリアの楽団が使用しています。

音色が柔らかく、太い

一概にプラスティック・ヘッドと本皮を比較することはできませんが、多くの場合、本皮のほうが柔らかくて太い音がします。

チューニングが楽(管理は大変)

あくまで個人的な感想ですが、本皮のほうが圧倒的にチューニングが楽です。
本皮はプラスティック・ヘッドと違い、皮自体に弾力があり、多少の誤差であれば自然に馴染んでくれます。

もっとも、恐ろしく湿度の影響を受けるので、演奏中にも皮の状態が変化していき、その都度チューニングをする必要がありますが・・・。

オーケストラでは本皮がよく使われている

ドラムセットではあまり使われることのない本皮ですが、プロ・オーケストラでは今でも日常的に使用されています。

最もよく使われるのがベース・ドラム(大太鼓)ですが、ティンパニやスネア・ドラムにも使われますね。

トムトムに使われることもありますが、プラスティック・ヘッドにはまず出すことができない存在感のある野太い音になりますよ!

本皮が破れるのはどんなとき?

いい事尽くしのように思える本皮ですが、最大のデメリットは破れる危険があること。
では、どんな時に破れるのかを見ていきましょう!

力任せに叩いてしまった時

最もシンプルな原因。そして唯一、防ぐことができる原因でもありますね!
力任せに叩くといい音になりませんし、本皮を使うメリットを殺してしまい、デメリットだけが残ります。

破れ方には2種類ある?

実は本皮の破れ方には2種類あります。

力任せに叩いたことが原因となった場合、叩いた場所周辺に穴が空くことが多いです。
これは、楽器全体を鳴らすことができずに皮の一部分にだけ大きな負荷がかかるためだと思われます。

それ以外の場合であれば「裂ける(割れる)」ことが多いです。
一点集中の負担ではなく、あくまでも楽器を鳴らしきった結果起こることですね。

ただし、これはあくまでも俗説で、科学的な検証がされているわけではありません。
そのため、穴が空いたからと言って必ずしも力んでいるわけではないのかもしれません。

温度や湿度の影響

次に考えられるのが温湿度ですね。

特に湿度の影響は顕著で、湿度の高い梅雨の時期は特に注意が必要です。

寿命

最後は単純に皮の寿命によるもの。

今回僕が破ってしまった原因はこれだと推測しています。なんせ10年以上使った皮なので…

いつ破れるのかは誰にも予測できない

ここまで原因がわかっているのなら、いつ破れるか予測できるよね?と思うかもしれませんが、実はそれは難しいのです。

熟練した奏者であっても予測ができず、本番中に叩き割ったという話は無数にあります。(かくいう私も本番中に破ったことがあります)

予測ができない要因としては、科学的な検証がされていない、という側面があると思います。
実験を重ねて、膨大なサンプルを分析すれば答えは出るのかもしれませんが、よほど酔狂な科学者でもない限りやってくれないでしょう。
そんなところに研究費を出してくれるスポンサーがいるとも思えませんし(笑)

というわけで、おそらくこれからも破れるタイミングを予測することはできないと思われます。

なぜ危険を犯してまで本皮を使うのか

いつ破れるかわからない、そんな危険なものを何故使うのか、と疑問を持つ方もいるでしょう。

しかし、その危険を犯してでも手に入れたい音色が本皮にはあるのです。

機会があればみなさんも本皮に触れてみてください。プラスティック・ヘッドでは味わうことのできない音色、打感、ダイレクトに伝わるニュアンス、そんな魅力のある虜になることと思います!

まとめ

最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

本皮がいつ破れるかわからないリスキーなもの。でも、それを補って余りある魅力があることが伝わったでしょうか?

HENYOHARO PERCUSSIONでは、様々な角度からレッスンを行っております。

興味を持った方は是非一度体験レッスンを受けてみてください!

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