こんにちは!Henyoharo Percussionの純太郎です!
今回はツェルニ100番楽曲分析の第15回です。
この第15曲は今までに比べると曲が長く、そして複雑になってきました。
全部説明すると長くなるので、ポイントを絞って解説していきますね!
形式と和声
形式 モティーフを関連付けることで統一感を演出
A-B-Cの三部形式
今回は楽譜に印をつけたaとbの2つのモティーフに絞って見ていきます。
注目してほしいのはB部。
B部最初の2小節の形を[b]とすると、3-4小節、5−6小節は極めて類似しているのでそれぞれ[b’][b”]とします。
7-8小節はA部の最後の2小節と全く同じなので、[a]とします。
こうすることで、同じモティーフにより曲の各部が関連付けられていることがよく分かると思います。
もう少しわかりにくいですが、A部の最初4小節とC部の最初4小節にも関連があるので、どの様になっているのか、考えてみてください!
和声 借用と転調
調性の移り変わりをまとめると、
A部 C dur→G dur
B部 G dur
C部 C dur
となっていました。
途中転調があったり、B部では借用和音が多く出てくるので、混乱するかもしれませんが、まとめると上記のようになります。
リピートする時と次に進む時で解釈が変わる
さて、8小節目(2段目の最後の小節)にリピート記号がありますね。
この8小節目の4拍目、G7のコードが鳴ることで、リピートをして冒頭に戻る時と次の9小節目に進む時で和声の解釈を変えないと少々おかしなことになります。
冒頭に戻るときは簡単です。C durに戻りたいのですから、ドミナントと解釈してC durのV7と考えるのが良いでしょう。
問題は9小節目に進む時。
9小節目は2度調(この場合a moll)のV7なのですが、その前にC durのV7が来ることは少々考えづらいのです。
G durで考えても4度調のV7、となり、これも不自然。
ここで、少し強引な解釈をしていきます。
左手のG音を無視して、Bdimのコードだとみなすと、これはa mollのIIの和音なので、G durから見たときの2度調のIIの和音と解釈できます。
つまり、借用和音の中でも、サブドミナントを借りてくるパターンだったすることで、解決できます。
このようにリピート記号がある場合、2通りに解釈をしておく必要があることはよくあります。
演奏プランにも深く関わってくるので、要注意ですね!
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます!
「曲らしく」なってくると、分析もより楽しくなってきますよね!
とはいえ、16番はまた短い曲なのですが(笑)
1曲ずつ着実に経験を積むことで、必ず分析力は伸びます。
根気強くいきましょー!
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