こんにちは!HENYOHARO PERCUSSIONの純太郎です!
皆さんは和音記号ってご存知ですか?
楽曲の和声進行を分析するときに必ずと言っていいほど使う記号なのですが、意外と知らない方も多いのではないでしょうか?
「ああ、あれでしょ?GとかAm7とか書いてるアレでしょ?」と思ったあなた、この記事では説明しないので、「和音記号 コード 違い」でググって下さい(笑)
この記事を読めば、クラシックとジャズの和音記号の付け方の違いがわかり、もしかしたら両者の和声に対する考え方の違いを垣間見ることができる…かもしれません!
そもそもそこまで厳密な決まりはない
さて、本題に入る前にひとつ確認しておかなければなりません。
それは、
クラシックもジャズもそこまで厳密な決まりはない
という点です。
特にジャズは本によってバラバラです。
クラシックも、日本で主流なのはドイツ式ですが、そうではない表記法もあります(藝大和声など)
フランス式もかなり違います。
なので、ここで紹介するのはあくまでもよく使われるもの、広く読まれている理論書で採用されているものだと思って読んでくださいね!
ジャズの和音記号はコード表記っぽい
では、最初にこちらをご覧ください!ハ長調の楽譜だという前提で見て下さいね!
赤字がクラシック、青字がジャズでの和音記号です。
最初に左端を見て下さい
クラシックはC:ジャズはC Majorと書いています。両方ともハ長調を表しています。
そして右側に移りましょう。
クラシックとジャズで同じもの
I, IV, V
違うもの
II⇄IIm, III⇄IIIm, VI⇄VIm, VII⇄VIIdim
同じなのは長三和音です。
そして違うのはそれ以外の和音。ここで登場しているのは短三和音と減三和音の2種類です。
クラシックは和音の種類に関わらず、調性内三和音(ダイアトニック・トライアド)の基本形はローマ数字のみで表します。
それに対して、ジャズではコード表記に準じた記号がローマ数字に追加されます。
ここでは出てきていませんが、調性外和音や変化音で長三和音ができたとき、クラシックでもそれぞれに応じてローマ数字に記号が追加されます。
クラシックでは、長調は大文字、短調は小文字で表す
調整の表記について、もしc:と、小文字になっていたらハ短調です。
ジャズでは、C minorとなり、アルファベットは大文字のままです
ジャズは基本的に転回形は無視
クラシックでは、転回形が出てきたとき、和音記号に反映されます。
しかし、ジャズでは普通転回形は和音記号に反映されません。
コードには反映されるのに不思議ですね!
同じ書き方で意味が全く違う!○6の罠
I6やIV6など、ローマ数字+6で表される和音はクラシックでもジャズでも頻繁に出てきます。
しかし、その意味は全く違うので注意して下さい!
クラシックでの○6
クラシックでは「第1転回形」を表します。
例えば、ハ長調の楽譜でI6と書かれていたら、Iの和音(ドミソ)の第1転回形である「ミソド」の和音を表しています。
ジャズでの○6
ジャズではadd6、つまり13番目のテンションがのった和音を表しています。
なので、C MajorのI6はC6、つまり「ドミソラ」の和音のことです。
全く違いますね?
ジャズは構成音重視、クラシックは機能重視?
このように、ジャズとクラシックでは和音記号の付け方ひとつとってもさまざまな違いがあります。
ではなぜこのような違いができたのでしょうか?
クラシックの場合、特に古典派のように曲の調性が重要視された時代では、それぞれの和音の機能(役割)が重要視されました。
極端な話、その和音がどんな構成音であろうとも、その機能が大事にされたんですね。
だから、ダイアトニックコードの場合余計な文字は足さないし、変化音や借用があっても最低限の印しか入れないんですね。
それに対して、ジャズの場合、和音記号よりもコード表記の方が発達していますよね。
即興をするときにはまず瞬時に構成音を把握しなければなりません。
そのため、先にコード表記が使われ始め、後から和音記号が導入されたのではないかと推測されます。
そして、和音記号の書き方がコード表記に合わせて変化した結果、今の書き方になったと思われます。
どちらも一長一短
ここまで書いてきましたが、どちらの方が優れているとかそういう問題ではないので、使いやすい方を学べばいいと思います。
ただ、知っているのと知らないのとでは全く違ってくるはずなので、「こういう考え方/方法もあるんだー」って認識をしているといつか役に立つ…かもしれませんね。
まとめ
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
クラシックはともかく、ジャズに関しては著者も専門ではないので、もしかしたら言葉足らずのところ、認識がずれているところがあるかもしれませんので、がっつり学ぼうという方はジャズの理論を教えている方に習って下さいね(笑)
クラシックの理論を学びたい方はぜひ筆者のレッスンを受けてみて下さい!
というわけで、興味を持った方はぜひ一度体験レッスンを受けて下さい!(笑)
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