こんにちは!HENYOHARO PERCUSSIONの純太郎です!
今回はツェルニー100番の楽曲分析3回目になります。
今まであまり触れてこなかった旋律の組み立て方に着目して分析を行っていきたいと思います!
形式と和声
まず最初はいつも通り形式と和声を見ていきましょう
二部形式
結論を先に書いてしまいましたが、この曲は[A-A]’-[B-B’]の二部形式です。
第2曲も同じ形でしたが、第3曲の方がAとBがよく似ていますね!
IとV(7)だけのシンプルな和音構成
転回形や、第7音の有無などの差はありますが、基本的にIとVが交互に使われています。
このような場合、毎回終止だと捉えるのではなく、フレーズの最後(青字で書き込みした場所)以外は経過和音として解釈した方が自然であることが多いです。
旋律の構成
まずは旋律をさらに細かく分けてモティーフを見ていきましょう。ざっくり楽譜に書き込むとこのようになります。大丈夫、ちゃんと説明します(笑)
AとA’の旋律
それでは、Aの部分を抜き出して見てみましょう
1小節目の順次進行をaとしたら、全く同じなので2小節目もaとなります。
3、4小節は違う音形になるのでここはbとしますね。
なので、Aの部分をモティーフで分析するとa-a-bとなります。
同様にA’の部分はa-a-cとなります。
ここでポイントとなるのは、bの最初はaと同じ順次進行なんですね。
こうすることで旋律の統一感が現れます。
そして、A’の部分のcは跳躍を主体とした進行です。
曲の前半部分を締めくくるために大きく変化をもたらす効果があります。
統一感を持たせつつ、変化も起こす。美しい…
BとB’の旋律
続くB部ですが、ここでは最初の3小節を見てみましょう。
同じ音形が高さを変えながら3回繰り返されます。
後述しますが、これはA部とB部の統一感を持たせる重要なモティーフです。
この3小節間をd-d’-d”としましょう。そして4小節目は全く違う音形なので、Bはd-d’-d”-eとなります。
B’もdのモティーフが出てきますが、こちらは2回反復するのみで、後半はまた違うモティーフです。なので、d-d’-fとなります。
順次進行と跳躍を織り交ぜたB-B’部ですが、最後の小節の1オクターブの跳躍が曲中最も大きく、最後が最も盛り上がるように綿密に計算されていることがわかります。
AとBの共通点と対称点
さて、続いてA部とB部の共通点、対称点を確認していきましょう。
共通点
共通点は多くありますが、ここでは最も印象的なもの一つだけ紹介します。
曲の3小節目と10小節目を比較してみましょう。伴奏は若干異なりますが、旋律は全く同じです。
さりげなくB部のメイン・モティーフをA部に潜り込ませています。
こうすることでA部とB部に統一感を与えているのですね。こういう手法はさまざまな曲で見ることができるので、是非探してみてください!
対称点
次に対称点ですが、今回は和声進行を見てみましょう
A部は2拍ごとにI-V-I-Vと和声が進行し、それに対してB部は1小節ごとにV-I-V-Iと進行します。
明らかに対比させていますね。
進行させる拍数や順序を変えるだけで印象を変えることができるという好例ですね
まとめ
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
今回は旋律に焦点を当てて分析をしてみました。
和声分析とはまた違った発見があったのではないでしょうか?
このように、HENYOHARO PERCUSSIONではオンラインで受けやすい理論のレッスンも行っております。
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