音楽理論

楽曲分析ツェルニー100番〜第4曲 伴奏の音形で印象を変える

こんにちは!HENYOHARO PERCUSSIONの純太郎です!

今回はツェルニー楽曲分析の4回目。この曲集で初めて出てくる三拍子の曲です。

和声的にはぶっちゃけ新しい要素はありません。
ですが、他に見るべきところはたくさんあります。
この記事では、モティーフの変化の付け方や伴奏への工夫について詳しく書いていこうと思います!

和声と形式

今回はささっとまとめてみていきましょう♪

[A-A’]-[B-A”]の二部形式、和声もIとVの転回形のみというシンプルな構成です。
B部でV7の転回形が出てきますが、これも単純にVと解釈することもできます。大きな違いはありません。

AとA”の2小節目、4小節目が逆行している

ここではメロディに着目してみましょう。
Aの2小節目とA”の2小節目を比較してみてください。(四角く囲っている場所)
音の順番がきれいに逆になっています。このような変化の付け方を逆行といいます。

4小節目も同様に逆行しているので確認してみてくださいね!

伴奏音形への工夫

さて、今回のメインテーマは伴奏です。
この第4曲はツェルニ100番練習曲の中では初めて左手で三和音を同時に鳴らしている曲です。
(1,3曲は分散和音、2曲は両手で三和音)

そのため、低音側に響きが偏っています。その事により、曲想に対する伴奏の影響力が増しているのですね。

それを踏まえた上で曲の前半と後半の音形の違いを見ていきましょう。
基本的に前半は2小節ごと、後半は毎小節和音を鳴らします。
このことにより、前半はゆったりとした大きな二拍子のような印象を受け、後半は早い三拍子のような印象が出来上がります。
伴奏の音形一つで曲の印象そのものが変化するのですね。

試しに、前半の伴奏を毎小節鳴らしてみると、印象がどのように変わるのかがよりよく分かると思います。

7,15,23小節で伴奏が単音になるのが印象的

さて、基本的に左手が三音同時に鳴らしているこの曲ですが、3ヶ所だけ単音になるところがあります。
○で印をつけているところがそうですね。
和音を弾くことで厚くなった響きの中で突如出てくる単音。とても印象的に聞こえます。
音を減らすことで逆に強調する。匠の技ですね!

まとめ

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

今回は伴奏に焦点を当てて分析をしてみました。
音形を少し変えるだけで意外なくらいに印象が変わるのが面白いですよね!

このように、HENYOHARO PERCUSSIONではオンラインで受けやすい理論のレッスンも行っております。

興味を持たれた方は是非体験レッスンを受けてみてくださいね!

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