音楽理論

音楽理論〜曲の分析をしてみよう!

こんにちは、HENYOHARO PERCUSSIONの純太郎です!

打楽器やアレクサンダー・テクニークのレッスンと合わせて、音楽理論のレッスンも行っているHENYOHARO PERCUSSIONですが、実際どんなことをするのか、よくわからない、と思う方もいらっしゃるでしょう。

そこで今回は短い曲を題材にして、実際に曲の分析をしてみたいと思います!

分析の大まかな流れ

曲の分析と一口に言ってもいろいろな手法があるのですが、今回は入門者の方にもわかりやすい「形式」と「和声」について行っていきます。

形式って?

「形式」とは、ざっくりいうと曲の構造の分析です。ポップスとかでAメロとかサビとか間奏とかあるじゃないですか?あれをクラシックの曲で、クラシックの言葉を使って行う、ただそれだけです(笑)気軽にいきましょう♪

和声って?

「和声」とは、「和音(ハーモニー)」の流れのことです。一つの曲の中でさまざまな和音が使われるわけですが、使われる順番や、どの調性で使われているのかで役割が変わってきます。
和音が「なっている音」を指すのだとすれば、和声は「なっている音の役割」まで指していると思って下さい。

では、次の章から実際の分析に移りましょう!

形式の分析

今回は、ツェルニーの「100番練習曲」の1曲目を使って分析をしてみますね。
*リピートは考えません

こんな感じになります。

  • まず、1〜4小節目までのワンフレーズをAとします。
  • 次の5〜8小節目はAとよく似ているけど少し違うので、A’とします
  • 9〜12小節目はAとは全く違うのでBとします。
  • 最後の13〜16小節目はA’と全く同じなのでこれもA’とします。

これをまとめると、この曲は

[A-A’]-[B-A’]

となって、大きく2つのパートに別れ、それぞれ小さなパート2つずつでできていると考えられます。
最初のフレーズAのあと、よく似たA’がきて、全く違うBという部分を経過して再びA’にもどる、という構造です。

A’は曲のメインテーマであるAを強調する部分、Bは曲に変化を与える部分、と捉えると演奏に結びつけやすいかもしれませんね。

そして、変化が起こるBの前、つまりA-A’部とB-A’部の間で二つに分けることができると考えられ、「二部型式」であると推測できます。
文字通り、二つの大きな部分からなっている楽曲のことを「二部型式」と呼びます。

和声分析

さて、簡単に形式をみたところで、次に和声を見ていきましょう。

先ほどの形式分析よりかなり書き込みが多いですね(笑)。
今回は簡単にするため、転回形については考えていません。

楽譜の上に赤字で書いているのがコード記号。つまり、和音を示しているます。
記事の最初の方で「和音」と「和声」の違いについて書きましたが、これは「和音」を表す記号です。

楽譜の下側に緑や青で書いているのが「和音記号」これは「和声」を表します。「和音」という名前がついていますが「和声」を表します😅

コードの解説

この曲には、C G G7 D7の4種類のコードが登場します。

メジャーコード

アルファベット一文字で表されている、CとかGはメジャーコード(長三和音)を表しています。

セブンスコード

G7、D7のように「アルファベット+7」で表されているのはセブンスコード(属七の和音)です。

長三和音って何?とか属七って何?って方は是非ググって下さい(笑)

和声の解説

和声の説明をする前に、まずはこの曲がC dur(ハ長調)であることを確認しておきますね。

1〜4小節目

ハ長調の音階で最初の音はドです。これを根音としたCの和音を「Iの和音(いちの和音)」と呼びます。
同様に5番目の音であるソを根音としたGの和音は「Ⅴの和音(ごの和音)」です。
ソから数えて7番目の音であるファを付け足したⅤの和音を「Ⅴ7の和音(ごのななの和音)」と言います。

最初の4小節

この曲の最初の4小節間はⅠとⅤ7しか使われていません。(前述の通り、転回形は考えていません)

Ⅰにはトニックと言って、曲の中心となる和音、という役割があります。
そしてⅤ7はドミナント。トニックに向かうという性質を持っています。

この役割通りにドミナントからトニックに向かう和声進行のことを「終止」と言います。
3〜4小節目がこれにあたります。(1〜2小節目にもこの進行がありますが、これは経過的な用法なのでまた別です)

同じ進行が7〜8小節、11〜12小節にもありますね。

9〜12小節目 G durに転調

さて、1〜4小節とほぼ同じである5〜8小節は置いておいて、曲に変化が訪れる9〜12小節目の解説をしていきましょう。

9〜12小節。曲に変化が訪れる

緑で書かれているのはC durのままだと解釈した和声進行、青で書かれているのがG durに転調したと解釈した場合の和声進行です。ここではG durに転調したと解釈して解説していきます。

G durだと解釈した場合、Gの和音はⅠの和音になります。

C durの時と役割が違うので要注意です

Cの和音は、G durの音階の4番目の音であるドが根音なので、Ⅳ(よん)の和音ということになります。
Ⅳの和音の役割は「サブドミナント」。ゆるーくトニックに向かうという性質があり、多くの場合属7の和音を間に挟んで終止を作ります。
この部分のようにⅣ→Ⅴ7→Ⅰという進行は特に「完全終始」と呼ばれています。

12小節目の1拍目で終始が完成した後、G durの固有音だったファ#がファ♮に戻ったことでC durへの復帰が示され、A’に入り、曲が終わります。

細かく見た時と大きく見た時の違い

さて、もう一度全体を眺めてみましょう。

この曲はC durで始まり、4小節目と8小節目で終止を迎えます。
そして9小節目からG durに転調し、12小節めでG durとしては完全終止を迎えます。
そこからC durに戻り、曲を締めくくるわけです。

先ほど12小節目の終止をG durとしては完全終止と表現しました。
では、曲全体(C dur)としてみた場合はどうでしょう?
実は「半終止」というまた別の種類の終止だと解釈できるんです。

完全終止が句点(。)だとすると、半終始は読点(、)です。つまり、フレーズの切れ目ではあるけど、最後ではない、というニュアンスの終止なんです。

このように、ピンポイントで分析した場合と曲全体の流れで分析した場合で解釈が変わることはよくあります。

ここが和声の難しいところであり、面白いところでもあるんですね。

今回の分析はあくまで入門

さて、ここまで長々と解説してきましたが、これでもかなり簡易的な分析です。

深く読もうと思えば正直際限がありません😅

最終的には演奏に反映させることを目指すわけなので、これまで全く分析をしたことがなかったという方には少しハードルが高く感じるかもしれません。

でも、少しずつコツコツと積み上げていけば、近い将来必ず成果が出る分野でもあるので、ぜひ取り組んでみてほしいです!

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実際のレッスンでは、生徒さんの知識量、音楽的素養の有無などに応じて進めていきます。

今回「ググって下さい」で済ませた部分もちゃんと教えますのでご心配なく♪
少しでも興味を持たれた方は是非体験レッスンを受けて下さい!

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