音楽理論

ツェルニー100番による音楽理論解説その16

こんにちは!Henyoharo Percussionの純太郎です!

今回はツェルニーの100番練習曲を1曲ずつ分析していくシリーズの第16番です!

この曲は形式や和声に目新しいものが含まれていないので、モティーフの発展のさせ方やその中での和声の使い方に触れていこうと思います!

まずはざっくり形式と和声

それでは、最初に形式を見ていきましょう。

この曲は前半8小節のA部と後半8小節のB部に別れています。リピート記号で区切られているのでわかりやすいですね!
というわけで、二部形式ということになります。

和声も至ってシンプルで、12小節目まではIの和音とV(7)の和音、それらの展開形しか登場しません。
13小節目でIV、14小節目でIIが出てきますが、これは後ほど説明します。

モティーフの展開

前半(A部)

まず確認するのは1〜2小節目の右手の高い方の音(メロディー)です。

ド→レ→ミというように順次進行しています。

次に、5〜6小節目の、同じく右手のメロディを見てみましょう。

今度はミ→ファ→ソという進行になっています。

リズムや音が切り替わるタイミングも同じなので、これらは同一モティーフであると考えられます。

もちろん、厳密に言えば「ドレミ」と「ミファソ」では音の幅が違うのですが、同じ調性の音なので、同一の進行と考えて差し支えありません。

このように、A部の前半と後半で同じモティーフを使って統一感を出していることがわかると思います。
このモティーフをaとします。

後半(B部)

9〜12小節

では、後半に当たる9〜10小節目を見ていきましょう。

同様にメロディを確認すると、レ→ファ→ミとなっており、先程と違い跳躍が含まれていることがわかります。
*仮にモティーフaと同様にするとレ→ミ→ファとなります。

では、全くの別物なのかというと、そうでもなく、リズムは同じなんですね。
このケースでは、モティーフaの順番が入れ替わってと考えることができます。
*aから派生しているのでa’としておきます。

また、この2小節は11〜12小節で反復されます。

こうすることでモティーフを強調する効果も生まれます。

もう少し補足をすると、この部分はV7→Iという短い終止を繰り返す形になっており、受ける印象がより強調される流れになっています。
*反復後のcresc.も一役買っていますね!

13〜16小節

さて、ここまでは同じモティーフやその派生形でしたが、13小節目でここまで登場していないモティーフが現れます。

このタイミングに合わせるようにここまで使われていなかったサブドミナントの和音(IVの和音)が使われているのはおそらく意図的です。

モティーフの面でも、和声の面でも新しい流れを作り出しているのだと思われます。

まとめ

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

今回はモティーフの展開と和声の動きの関係について触れていきました。

シンプルな曲でも様々な角度から分析することで、いろいろな事が見えてきます。

単純な曲こそ、分析してみると面白いかもしれませんね!

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興味を持たれた方は是非体験レッスンを受けてみてくださいね!

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