音楽理論

トニック/ドミナント・ペダルがポイント? ツェルニー100番楽曲分析第6回

こんにちは!HENYOHARO PERCUSSIONの純太郎です!

今回はツェルニー100番練習曲の第6曲を分析していきます!

初登場となる、「ペダル」の概念について説明していきますね!

まずは形式と和声

それでは、いつものように形式と和声を見ていきましょう。

[A-A’]-[B-A’]の二部形式。
Bのモティーフが明らかにAから流用されていますね。
曲全体に統一感を与えることができる常套テクニックです。

次に和声を見ましょう。
I、IV、V(7)という基本的な和音のみでできているシンプルな構成です。

ペダル・ポイントとは?

では、今回のテーマである「ペダル」について説明しますね!
「ペダル・ポイント」など、他の呼び方もありますが、これは進行する和声の中で保持され続ける音のことを指します。
多くの場合Bassパートに置かれていますが、内声やSopranoに置かれることもあります。
ベートーヴェンがティンパニとトランペットに多用しているので、探してみてください!

さて、そんな「ペダル」ですが、この曲の中で2種類の使われ方がしています。

トニック・ペダル

1つ目は主音を保持し続けるトニック・ペダル

曲の冒頭から7小節間、左手の最低音がC音を弾き続けています。
C音はCdurの曲の主音なので、トニック・ペダルが形成されていると考えられます。

ドミナント・ペダル

次は属音(音階の5番目の音)を保持するドミナント・ペダル

B部の前半4小節でC durの属音であるG音が保持されています。

ドミナント・ペダルは緊張感を高める効果があるため、ソナタ形式の再現部に戻る直前に多用されるお決まりの作曲テクニックです。

まとめ

最後まで読んで下さり、ありがとうございます!

今回はツェルニー100番練習曲の第6曲を題材に、「ペダル」の解説を中心にお届けいたしました!

後半でさり気なく転調 ツェルニー100番練習曲楽曲分析その7
モティーフの変形の仕方も興味深いこの曲ですが、後半に入ったところでさり気なく転調します。 G durの固有音であるFisを使わずにどのようにG durへの転調を実現しているのでしょうか? この記事で詳しく解説していきます!

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