こんにちは!HENYOHARO PERCUSSIONの純太郎です!
今回は、以前も取り上げたツェルニー100番練習曲を題材に楽曲分析をやっていきます。
2番の練習曲では、和声の転回形とドミナント・ペダルについて理解してもらえるように記事を書いていきますね!
分析のポイント
まずは今回使用する楽譜を見てみましょう。
- C durで16小節(リピート除く)
- 右手はほぼ4分音符
- 左手は全音符と2分音符
パット見て気づくのはこれくらいでしょうか。
では、もう少し詳しく見ていきます!
形式
まずは形式、つまり曲の構造をチェックします。
結論から言うと、この曲は
[A-A’]-[B-B’]の二部形式です。
1,2小節と5,6小節が全く同じで、3,4小節と5,6小節では変更があります。
なので、よく似ているけど少し違うため、1~4をA、5~8をA’としました。
同じ理由で後半はBとB’となります。
第1曲が[A-A’]-[B-A’]だったのとは少し違うわけですね。
和声分析
次に、和声をみていきましょう!
この曲ではIの和音とV(7)の和音しか使われていません。
第1曲と比べてもシンプルです。
転回形
それでは、転回形を見ていきましょう。
この曲で使われている転回形は、
- Iの第1転回形であるIの6の和音(2小節と6小節)
- V7の第1転回形であるVの56の和音(3小節)
この2種類になります。(記号の書き方は画像を参考にしてください)
メロディ(右手)との兼ね合いで基本形か転回形かが決まる
転回形が使われている小節のメロディを見てみましょう。
和音の根音となる音が含まれているのがわかると思います。
こうすることで、構成音が重複しなくなり、響きが重くなるのを回避しているんですね。
他にも和声リズムの話など、いろいろな要素が絡んでくるのですが今回はやめておきましょう(笑)
ドミナント・ペダル
さて、最後に「ドミナント・ペダル」について書いていきたいと思います。
楽譜の2段目の左手の一番低い音を見てください。
9小節から15小節の7小節間に渡ってG音が鳴らされていることがわかると思います。
このように、和声に関わらず属音(音階の5番目の音)がBassによって鳴らされることを「ドミナント・ペダル」といいます。
主和音に向かってエネルギーが蓄積されるような効果があり、ソナタ形式の再現部前などで多用されました。
ベートーヴェンがティンパニを使ってよく行っているので、打楽器奏者にとっては馴染みのある手法かもしれませんね!
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
今回はツェルニー100番練習曲の第2曲を題材に、転回形とドミナント・ペダルを軸に書き進めてきました。
ツェルニー100番練習曲はピアノの教材としても優れていますが、和声の勉強にもうってつけなので、HENYOHARO PERCUSSIONの理論のレッスンではよく使用しています。
・・・というわけで、ご興味を持った方はぜひ一度体験レッスンを受けてみてください!
それではまた次回!
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