アレクサンダー・テクニーク打楽器

鍵盤楽器の高さが合わない!そんなときはどうする? 第8回 打楽器奏者のためのアレクサンダー・テクニーク研究会より

こんにちは!アレクサンダー・テクニーク教師の純太郎です!

今回の記事は旧ブログからの転載です。その昔、山口裕介氏と共同開催していた打楽器奏者向けのアレクサンダー・テクニーク勉強会の模様を書いた記事を少し書き直したものになります。

この回では「高さが合わない鍵盤打楽器を演奏することになった時」の対処法について取り上げ、高すぎる場合、低すぎる場合について考えていきました。

楽器が高すぎる場合

最初は楽器が高すぎる場合です。
比較的小柄なプレイヤーに対して、シロフォンを最大限に高くした状態が下の画像になります。

画角の関係で少しわかりにくいですが、肘の高さと音板の高さがほぼ一緒です。

この時、

  • 爪先立ちになる
  • (全体が見えにくいので)後ろに下がってしまう
  • もっとマレットを落としたい(マレットの振り幅を確保したい)

というような問題が起きてしまいます。

対処法

まず、楽器の前ではなく何もない場所でマレットを持ち上げて構えます。

その後、楽器に近づきます。このままだと、マレットが音板よりも下に来てしまうので演奏ができません。

見えにくいですが、マレットの頭が音板よりも下にあります。

この状態から、マレットの頭が自分全部を導くように意識して、音板よりも上にマレットを動かします。

音板が高い位置にあるのは相変わらずですが、腕の状態が全く違うのがよく分かると思います。

Before: 肘が胴体よりも後ろにあるので、演奏しにくいです。
Afeter: 二の腕が地面に対して概ね垂直になっており、無駄な力が抜けたことがわかります。

楽器が低すぎる場合

さて、次に楽器が低すぎる場合について考えていきます。

長身のプレイヤーと、低い位置にセッティングしたシロフォンです。

音板が腰よりも低い位置にあり、非常に演奏がしにくいようです。

このときの問題点として、

  • 音板との距離がわからなくなる
  • 普段よりも前かがみになってしまう

といったことが起きるそうです。

前かがみになることによって、演奏するための「腕を動かす筋肉」を姿勢の維持に使ってしまっており、非常に不利な状態になっています。

対処法

そこで、どのようにして音板に近づくか、という部分について考えてみます。

音板に近づくには、体を低い位置に移動させる必要があります。

このときの方法として、膝と股関節を曲げるということが考えられます。

では、背中を丸めて調節した場合(写真1枚目)と膝・股関節を使って高さを調節した場合(写真2枚目)とを比べてみましょう。

Before:背中が丸まっていて、演奏しにくそうです
After:背中が開放されて、腕を動かしやすくなっています

演奏するために使う「腕を動かす筋肉」に余計な緊張がなく、より自然な演奏ができるようになりました。

慣れない高さの楽器に出会った時に思わず体が固くなってしまう?

さて、高すぎる場合、低すぎる場合についてそれぞれ考えてきましたが、ここで少し別の角度から考えてみたいと思います。

皆さんは「あ、この楽器高い!」とか「うわ、めっちゃ低いやん」と思ったまさにその瞬間、体がすでに固くなっていませんか?

いつもと違う環境や状況に対する反応として、「体を固くする」というのはごく自然なものです。

それは漠然と「いつもと違う」と考えてしまい、具体的に「何が」「どのように」違うのかを考えていない場合に顕著になります。

「いつもと違う!」と思ったら、「高さが普段使っている楽器よりも10cm低いなあ」や「いつもはおヘソくらいの高さなのに今日は股くらいの高さだ!」など、具体的に何が違うのかを調べ、じゃあ〇〇のように対処しよう!

といった思考を持つことができれば、変化に対してより的確に対処ができるようになるかもしれませんね。

まとめ

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

今回は以前定期的に行っていた「打楽器奏者のためのアレクサンダー・テクニーク研究会」で取り上げたトピックについて昔の記事を元に書き直すということをしてみました。

アレクサンダー・テクニークの考え方を使えば、種々様々な問題に対応することができます。

興味がある方は是非ご連絡くださると嬉しいです!

もちろん、通常の打楽器のレッスンも行っておりますので、お気軽にお問い合わせください!

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